ドンジュアン 1幕 2021

ドンジュアン 再演おめでとうございます!

DVD発売おめでとうございます〜!

https://www.don-juan2021.jp/dvd

上口カルロと平間ラファエルが大好きなので、記録に残るのが本当に嬉しいです♪

 

(※一応書いておきますが、録音などはしていません)

 

小文字がセリフ、大文字が歌詞です

 

セリフの人名を書くのがめんどくさくなってしまったのでなんとなくこれは誰のセリフだな〜って思ってください

 

第1幕

1場

セビリアに赤い風が吹く

風に舞い上がる赤い土

この大地に生きたあの男

あの男?

地位 名誉 家柄

財産 力 美貌

そして女たち

誰であろうと惹きつける魅力

人の心を焼き尽くす自信

命を焼き尽くす欲望

彼は全てを持っていた

でも本当に価値のあるもの 一番大切なものは持っていなかった

何一つ

すぐそばにあるのに気づかなかった

彼は全てを持っていた

本当に大切なもの以外は

 

♪『彼は全てを持っていた。本当に大切なもの以外は』

 

穏やかな風が頬を撫でる夜

友の思い出が胸に蘇る

情熱のために生きて 愛のために散った

懐かしき友よ 

憎んでいないといえば嘘になる

だがそれ以上に愛してもいた

天使のような眼差しで魅惑する

悪魔のような男

 

ドンジュアン 我が友よ

君が何を求めていたのか僕には今もわからない

聞こえているなら僕に教えてくれ

 

貴族の息子に生まれていながら

悪徳の限りを尽くして生きた

魔法をかけて女たちを魅惑した

悪魔のような男

 

全てを備えながら

愛することを知らず 生き続けた男

彼を包んだ風のように

吹き抜けていた愛に気づかずに

愛を求め 愛に燃えて

花びらを散らす 赤いバラのように

ドンジュアン 我が友よ

君に捧げよう 私たちの愛を

 

2場

全ての始まりの話をしよう

穏やかな夜のことだった

白銀に輝く月の下

柔らかな風が赤き砂肌を撫でる夜

彼は騎士団長の娘に狙いを定めた

彼の誘惑に抗える女など

いないのだ

いつもの夜 いつものこと

ただそれだけのこと

だがあの夜

運命はいつもとは違う道を進んだ

事を知り、怒りに駆られた騎士団長がドンジュアンの元へとやってくる

 

♪『偉大な男の死』

誰からも慕われて 誰よりも偉大な人が

殺された あの男に 暗闇へと逃げた男に

この広間に 像を立てよう

騎士団長殺しのドンジュアン

彼の罪を忘れぬため この罪から逃さぬために

 

3場

ずいぶん堂々としてるじゃない

こんな昼間から往来でお酒?

あなた こんなところにいていいのかしら

あなたを憎む連中なんてそこら中にたくさんいるわ

こんなところにいたら命がいくつあっても足りないわよ

恨み節の男たち 口々に呪う女たち

そう 私もね

 

♪『石のような冷たい心』

ドンジュアン ドンジュアン 

女たちの肌に焦げ付く爪痕

ドンジュアン 

残されて今も 肌の下暑く

ドンジュアン

うるおしく響くその名に怯える

女たちを苦しめ 軽蔑してるの

私たちあなたの汗に触れるだけで

愛に燃え上がり全て捧げたのに

石のような冷たい心で捨てたのね

 

ドンジュアン ドンジュアン

その胸の鼓動 私だけのものに

ドンジュアン

するために 胸を引き裂いてこの手に

ドンジュアン 

狂おしく のたうつ

心臓を頂戴

女たちを苦しめ 軽蔑してるの

私たちあなたの汗に触れるだけで

愛に燃え上がり全て捧げたのに

石のような冷たい心で捨てたのね

 

ドンジュアン!やっぱりここだったか

君を訪ねてこの街にやってきたらしい

セビリアは初めてでどこへ行けばいいか分からず迷っていたの

それで偶然会ったんだ 知り合いか?

馴れ馴れしいね あんた彼のなんなのよ

私、彼の妻です!

いつ結婚したんだ!おめでとう!

ハッ

ねぇどうして何も言ってくれないの?

答えてよ!

 

約束したはずよ 妻に娶るからと(ここでカルロがドンジュアンに「お前またこんなことしてるのか」ってオフマイクで言ってる)

熱い吐息でささやか 強い胸に抱かれ

愛に燃え上がり 神に背いたのに

石のような冷たい 瞳で見ないで

お願いよ答えて 軽蔑してるの

私あなたを信じて 修道院でたのよ

このままじゃ私 何処へ行けばいいの

 

石のような冷たい心で捨てたのよ

あなたの居場所なんてないの お嬢さん

 

騙したの

私は騙されたの

騙されてなんかないわ

あなたは彼を愛してしまっただけ

結婚するのよね!私!あなたの妻になるのよね!

そう!あなたは彼の妻!一晩だけね

朝がしたらおしまい

それで捨てられた

捨てられたのなら私たちと同じ!

自分だけ特別なつもり?世間知らずのバカなお嬢さん

あなたたちには聞いてないわ!ねぇドンジュアン!(みんながドンジュアンを呼ぶ)

 

おい!お前たち俺の名前をなんだと思ってるんだ?

どうしろっていうんだなぁどうして欲しい?

黙るなら呼べ

お前たちが俺を呼ぶほど 俺は暑く燃え上がる

(この時、女たちを見てカルロが呆れた表情してるんだけど、この女たちを見下してる表情がまじで好きだった)

 

♪『俺の名は』

俺の名は刑罰 十字架のごとく 

海を行く船に 吹き荒れる嵐

女たちがこの血をたぎらせる限り

風は力強く 船を抱き寄せる

求めるならば刻みつけてやろう

柔らかな肌に 燃立つ印を

いつまでも消えず 疼く傷の上

俺の名は永遠に生き続ける

 

情熱に身を委ね 喜びに震え

女たちが叫ぶ それが俺の名だ

いつまでも消えぬ 胸の奥深く

俺の名は永遠に燃え続ける

 

俺の名を呼ぶ声 それは愛の叫び

ただ船のもとで 救い求めて

見上げる瞳が燃え上がる限り

女たちは俺を求め続ける

 

俺の名は甘く 獲物誘う罠だ

柔らかな肌を 食い破る牙

残酷な愛の罠と知りながら

女たちは俺を 求め続けるだろう

 

4場

♪『友よ、共に』

愛する国のために 異教徒たちを打ち倒す

それが俺たちの闘いだ

愛する人の未来を 命をかけて守り抜く

それが俺たちの闘いだ

武器を手に 恐れずに進もう

炎に染まる大地を

我らに勝利 もたらす神が

導く光目指して

どんな危険があろうと 

恋人の手の温もりを 思い出せれば強くなれる

友よ共に 恐れずに行こう

必ず生きて帰ろう

俺たちなら生き残れるさ

たとえ何が起きても

闘おう 愛する友よ行こう 重ねた絆信じて

闘い続けよう 俺は 必ず帰ってくるから 

まってて 愛する君へ

勝利捧げる日まで闘おう

 

全員整列!

明朝出発し、明日中に先に戦地に入っている中隊と合流し、行動を共にすることになるだろう。

出発までの12時間!休暇とする!

これにて訓練を終わる!全員解散!

 

ラファエル!ラファエル!

マリアー!

どうしたんだ?何かあったのか?

わかる?

もちろん!

仕事が来たの!騎士団長の石像よ!

騎士団長ってあのドンジュアンに殺されたっていうやつか?

そうよ!みんなが帰ってくる頃には街の広場に私の石像が立っているわ!

それはおめでとうマリア!

 

もう一つだけ祝ってもらわなきゃならないことがある!

えっ何?

俺とマリアは結婚するんだ!

ついに結婚か〜!

よし!それじゃあ出発までの12時間!前祝いとしよう!

ねぇラファエル みんなに言うのは無事に帰ってからって言ってたじゃない

無事に帰って来られないなんてことあると思ってるのか?

あなたたちが行くのは戦場なのよ

いつ言ったって一緒さ!戦局は小康状態が続いているらしい

目立った戦闘もほとんど起きていないそうだ

ほら!遊びに行くようなもんだよ〜♪

でも…

お前の旦那は!俺が守ってやるよ!

頼りにしてるぜ小隊長殿!

おい!フェルナンド!早く来い!

今行くって!

忘れ物すんなよ〜

さぁマリア

俺たちも行こう

うん でもしばらくしたら抜け出していい?

どこへ?

工房

工房?

早速取り掛かりたいの

家には帰らないのか?

わからない

早く完成させてくれ

えっ

立派な像にしてくれ!君の像を目指して俺たちは帰ってくる

うん わかったわ

それで君の仕事のことなんだけど…

おい!ラファエル!

おおおお

お前たちが来ないと始められないだろ!

わかった今行くよ!

マリア!行こう!

 

5場

散々な間に合いました

これからどうするつもりだ?

修道院に戻ってみます

でも 受け入れてもらえるかどうか…

そうか…そうだ 彼の父、ドンルイを訪ねてみないか!

お父様を?

あぁ 父君に諭されられば流石のドンジュアンも言うことを聞くかもしれない

どうして優しくしてくださるの?

君のためだけじゃない 彼のためでもある

あいつもいい加減に落ち着くべきだ

ご友人想いなのね

友人だと思ってもらえているかはわからないがね

さぁこっちだ

(ここのお辞儀 綺麗すぎる お辞儀をした後の手が綺麗)

ドンカルロ

ドンルイテノリオ 突然の訪問をお許しください

見ての通り ちょうど食事にするところだったんだ

どうだ一緒に

あなたに会いたいと言う娘を連れてきました

娘だと?

エルヴィラと申します

 

♪『お聞きください』

この娘の話を どうかお聞きください

ご子息を愛してしまった 哀れな娘です

 

息子を愛しただと

愚かなことを

聞いてやってくださいますか?

聞こう

申してみよ

(ここで椅子に座るときのカルロの裾捌き)

 

♪『伝えてください』

ドンルイテノリオ 

あなたの息子の 言葉を信じて

あなたの娘に なれると信じた

約束したのに 裏切られて私

置き去りにされた 娼婦のように

伝えてください 彼に

涙濡らし娘が 苦しみながら祈り

彼を待っていると

結ばれた夫に 捨てられた私

家族に言えません 神様に背き

娼婦になったと

伝えてください 彼に

涙枯れた娘が 裏切り者を呪い

修道院に帰ると

お願い伝えて

待ち続けていると 彼を愛していると

 

あの女は貴族か?

えぇ

厄介な娘に手出ししおって

このまま修道院に戻ることにでもなれば 

御子息の不実が世に露呈することになるでしょう

ドン・カルロ 何故だ何故息子は私を苦しめる

このままではテノリオ家の沽券にかかわるかと

ドンカルロ 息子を連れてきてくれ

 

6場

♪『君の父上からの伝言』

聞いてくれ ドンジュアン

父上が君を

今すぐに連れて帰って来いと言われたんだ

気安く触るなよ 何様のつもりだ

父が俺に何の用だ

いいだろう さあ行けよ

 

連れて参りました

ありがとうドンカルロ

(この去り際のジュアンを見つめるカルロの視線)

何か御用ですか?

騎士団長と決闘騒ぎを起こしたかと思えば今度は貴族の娘に手を出しおって

関係ないでしょ

それで何か父上に類がお呼びでもしましたか?

責めているのではない お前の身を案じているのだ

このままではいずれ命取りになる

御用がお済みでしたら帰ります 暇じゃないんだ

覚えているか お前の母親を

母上

いつも泣いている女だった

産みの苦しみに泣き、生んだ喜びに泣いた

そして旅立つとき お前の行く末を案じて泣いていた

私たちだけなのだ 私たち親子は

 

♪「息子よ」

息子よ

分かり合える日が来るのならば 

たとえこの目を差し出しても

惜しくはない 私だけがお前の味方なのだ

お前の人生は影だけが友だ

苦しみを分ち許し合うものも

お前が死ぬとき悲しむ友さえ 誰も現れない

息子よ

私の名を継ぐ日が来たときに 正しい道を歩んで欲しい

誇り高く生きて欲しい この名に恥じぬように

お前の人生はお前だけのものか

お前と同じ名を名乗るこの父が

誇らしく思える男として生きろ

お前を愛した女たちでさえも

苦しみをわかち救うものはいない

誰もが自分のためにだけ生きる

お前の人生はお前だけのものだ

必ず報いを受ける日が来るのだ

お前が死ぬとき悲しむものなど

私一人だろう

(ドンルイにとってカルロはどう見えてるんだろう)

 

7場

俺の身を案じているだと?

何もかも思い通りになると思うなよエゴイストめ!

これからも俺は何も変わらない

そうだお前は1人で生き1人で死んでいく

私の姿が見えるのもお前だけ

私の声が聞こえるのもお前だけだ

何もかもわかったきているが

誰よりもわかっていないのはお前だ

どこを見ている

私はお前と共にある

 

♪『亡霊の登場』

未練がましく俺にしがみつき

一体何を言っているんだ

また殺されたいのか

失せろ 地獄へ落ちろ

呪いなど恐れはしない

女たちが俺を求め続ける限り

 

いいか

愛だぞ

愛に気をつけろ

ドンジュアン

 

8場

お父上と話さなかったのか

いいや話したさ

ならばどうして酒場に来る

今夜くらい慎もうと思わなかったのか

たったそれだけの自制心もないのか

俺が来るとわかっていたからお前は待ち伏せていた

違うか

お前は間違っている

つれないことを言うな

カケラほどの道徳心もないのか

善良に生きねば

いつかは破滅するぞ!

 

♪『悪の華

おまえの心に巣食うのは

悪徳まみれの 黒い華

神の怒りに 触れて散る

花びら散るのは悪の華だけじゃないさ

どうせ皆散る定め

黒も白もおなじ華

おまえもいつかは救われる

望めば得られる 愛の華

神の許しに触れて咲く

 

花びら 咲かすのは神の技だけじゃないさ

いずれ皆散る定め 悪も善も同じ人

違う 間違ってる

神が善を救う

神が捨てた俺を

女と酒が救う

花びら散る時恐れていないさ

いずれ皆散る定め せめて祈り捧げ

天国へ迎えられる なんて愚か者の幻想

捨てさらえ 愛の華

快楽に揺れる華 咲かせよう

 

♪『快楽』

さあ今宵も快楽に命を捧げるのだ!

ギターの音に揺れる腰を抱き

お姫様の濡れた肌に触れ

身体の奥燃える欲望を

夜明けまでは感じていたい

ワインを浴びて赤く濡れた胸

盃がわりに飲み干そう

月明かりに弾けた雫

夜明けまでは眠らせない

Du plaisir 快楽求め

Du plaisir熱い吐息に

昂る身体 快楽に挽ませ

ギターのように掻き鳴らされたい

お姫様のフリで惑わす蕃徴

欲望に取り憑かれた坊や

今夜は誰を選ぶのかしら

Du plaisir 快楽求め Du plaisir 歪めた顔で

情熱のまま快楽に踊ろう

Vamos alla!

Du plaisir 快楽求め Du plaisir 熱い吐息に

昂ぶる身体 快楽に弾けよう

Du plaisir 快楽求め Du plaisir 熱い吐息に

昂ぶる身体 快楽に踊ろう

Du plaisir

 

♪『アンダルシアの美女』

俺と踊れ リズムに合わせて

俺の腕を汗に濡らし 俺と踊れ 絡み合う脚で

二人鼓動重ねながら さあ踊れ

アンダルシアの美女よ 悩ましげな香り放つ果実よ

獣のような瞳に火を宿し

恐れ知らぬ誇り高き獲物よ

さあ踊れ アンダルシアの美女よ

抗うほど 忠実な俺の僕よ

獣のように深い爪をかけあい

褐色の肌を重ね踊れよ 腕の中で

 

何よこれ

こんな裸見たいな女と踊るのがあなたの望み?

女たちを抱くのがそんなに好き?

そんなものでご満足?

 

♪『望むならば』

そんなものは 女の全てじゃない

大事なものあなたに捧げた

お望みならばやってみせる

あなたはまだ知らないだけなの

私にだって悪いことできるの

お望みなら やってあげる

服を脱ぎ横たわり抱き合って

キスをして男たち誘うの

そんな女にも なれるのよ

こんなことは まだ手始めなの

大事なこと あなたは知らない

お望みなら教えるわ

誰にもまだみせてないだけよ

女だけの秘密があるのよ 

お望みなら 見せてあげる

一度きり寝ただけでなにもかも

知ったようなしたり顔しないでよ

愚か者たちな男は

よく見てよ 目を反らせたりしないで

ケダモノが群がり求める

私の本当の 姿を

服を脱ぎ横たわり抱き合って

あの人よりすごいことしてあげる

悪い女にもなれるのよ

望むならば

 

なれないことはするものじゃない

(カルロがエルヴィラを止めに入る この時山野くんがカルロに向かってお前邪魔してんじゃねえよ!って言いながらメンチきりあってるんだけど、何回見ても身長が同じように見える 上口耕平さんやっぱり178くらいありません?身長)

いつか!私の愛を思い知る日が来るわ

そうか それは楽しみだ

 

送ろう

いいんです

行くあてはあるのか?

お優しいのね

でも一人になりたいの

そうか…

 

♪『女がわからない』

愚かな戯れの 夜の炎に 挑み羽ばたき 翼焼かれた愚かな娘

それなのにどうして 苦しみ悶え 踊る彼女の美しさに心震える

何が君をそれほどまで駆り立てる

何が情熱と勇気を与えたのか

愛に身を焦がす 女は 美しい

たとえ悲しみと怒りにとらわれても

 

君の目に浮かんで こぼれ落ちずに

まつげ震わせ ほのかに光る 宝石が欲しい

何故女は誰も皆美しく 強く儚く

時に愚かで 残酷なのか

愛のためだけに生きたい できるなら

愛のためにこの命を焼かれても

もし得られるのならば愛を選びたい

そう思わせてくれる女と巡り会えたら

 

9場

どこ行くの

あいつのところだ

カリカリしちゃって

それは誰のための怒り?

あなたのため?彼のため?それとも彼女のため?

もしかして惚れたのねあの女に

私には責任がある

エルヴィラはドン ジュアンに傷つけられた

それを見過ごすわけにはいかない

そう傷ついた

でもそれがなんだっていうの

傷つくことを恐れてちゃ

人を愛することなんてできないわ

 

♪『行かないで』

傷つくだけなのに どうしようもなく求めて

残された傷跡 流れる涙がしみる愛

喜びのあと 苦しみが残る 愛に溺れて

初めて気付く

戻れはしない 進みたくない 愛が怖くてどこにも行けない

今ならまだ戻れる 戻った時にはもう手遅れ

愛してると言う前に 牢獄に囚われもう出られない

 

彼女は彼を愛しているの わかるでしょ

わかっている

お利口さんね

傷ついているのはあなただけじゃないの

愛って残酷なものだから

 

悲しみ抱え 喜びの後

探して眠り 夢に落ちても

愛した人と 巡り会うまで

愛は残酷にすがりつくもの

 

止めてくれるな

止めやしないわよ

 

なんのようだ

エルヴィラのことだ

お前には関係ない

いいや!関係ある!

ほぉ いいぜ!聞いてやろう!

お望み通りの夜になったかな

おい化け物!お前見てなかったのか!

誰と話している!

お前の娘も俺を満足させてはくれなかったがな

ドンジュアン!

会ってみたくはないか真実の愛に

今夜は疲れた またにしてくれ

怖いのか?

なんだと さぁ合わせろよ!どこにいる!

こっちに登ってくるんだ

おい!ドンジュアン!どこへ行く!ドンジュアン!

来たぞ どこにいる

足元には気をつけたほうがいい

なんだと

(ドンジュアンが消える)

おい!どこへ消えた?ドンジュアン!

 

10場

♪『愛を知る時』

どんな女も教えなかった

快楽以上の愛の意味

今こそお前に教えよう

愛が導く未来を

余計な世話だ 欲しいのは

ひと時だけの 快楽だ

俺は決して求めない

愛が導く未来など

愛の気配にお前は気付かず

影から光へ

愛と出会えばお前は目覚める 至福の喜び

愛を知ればわかるだろう

犯した罪のおぞましさ

その体の血と肉で 罪を贖うことになる

愛を知るとき お前は新しい 命に目覚める

愛を知るとき お前は 求める 彼女の導く未来を

 

11場

♪「騎士団長の像」

何を恐れている

何を狼狽えている

さぁやってくるぞ真実の愛が

気をつけろ

ドンジュアン

 

♪「石の像」

物言わぬ石を刻み命吹き込む

夜から朝までただひとり掘り彫り続け

冷たい瞳に光を灯すの瞳に燃えるのは

愛?それとも呪い?貴方は覚えてるのね

冷たい肌の下に

今夜は不思議な気配を感じるわ

貴方の声が聞きたいの

物言わぬ瞳に刻まれた記憶

語って聞かせてあの人の事を

貴方に彼は何をしたの

恐れずに聞くわ あの人は誰なの

知りたいその人の名前はドン・ジュアン

貴方の真実知りたいの

神をも恐れず 聖書に唾吐く

恐ろしい その男名前はドン・ジュアン

ドン・ジュアン

たとえ何が待っていても

わたしは恐れず 瞳に刻まれた

知りたいあなたの真実

知りたい その人はドンジュアン

ドンジュアン 

 

知りたければ教えてやろう

俺がドン ジュアンだ

あなたがドンジュアン 

どうしてここへ

その彫像に導かれたんだ

この彫像に!?

信じられないか

信じろって言う方がどうかしている

でも何かが起こりそうな気配を感じていた

どうしても顔がほれなくて!

彫像が助けてくれたのかも!

俺がここに来たことがなんの助けになる?

あなたは知っているはずよ

何を

彼の顔よ

こいつの顔を俺が?

あなたが殺したんでしょう

ねぇ教えてちょうだい 彼はどんな顔をしていたの

お前はこいつと何か関係があるのか?

ただの彫刻家よ

女の彫刻家なんて珍しいな

そう

彫刻家なんだろ 顔くらい好きにしろよ

そうはいかない!石には声があるの

記憶も思い出も心も 石の声に従って彫っていくの

石に操られているってか

あなた面白いことを言うのね

ずっと待ってるんだけど この子は黙り込んじゃって

怖くないのか?

何が?

俺がだ

私が?あなたを?

俺が何者か知らないわけじゃないだろ

確かに驚いた!でも怖くないわ

あなた本当に騎士団長殺しのドンジュアン?

彼を殺したとき、あなたはどんな顔をしていたのかしら(見つめ合う)

俺の顔?そんなこと覚えない

そう 残念だわ

変わった女だ

よく言われる 芸術家にはつきものね

ねぇこの彫像!どうかしら!

俺には芸術はわからない

わかるとかわからないとか関係ない!

思ったまま!なんでも言って!

石を掘ってるときの君は楽しそうで 美しかった

(マリアが笑う)

何がおかしい

美しかったって こんな格好よ それに石クズまみれ

思ったままに言えと言っただろ!

そうね ごめんなさい

こんなところがあるなんて知らなかった

あなたと私では住んでる世界が違うから

住んでる世界が違う?

そう 今夜はその世界が交わったよ

何かの間違いで

それとも本当に彫像が導いたのかしら

ねぇ 答えてくれないのかしら

何を?

彼は最後に何を言い残したの 彼はどんな顔をしていたの!

そんなこと 俺は思い出したくもない

そう…

(マリアが帰っていく)

おい!どこいくんだ!

帰るの 今夜は何も語ってくれそうにないから

あなたも 石像も

待て!君の名前は?

マリアよ!

 

マリア…

この俺が何もしないで帰すとは

おい化け物!俺に何をした!答えろ!

この感情はなんだ

 

♪『エメ』

教えてくれ何が起きたこの俺に

あの娘が瞳の中映し出した

酷く醜い卑屈な男あれが俺か

俺の知ってる強い男はどこへ消えた

知らなかった愛と欲の違いすらも

今気づいた俺の胸を叩く音に

ただ一人の女の目が震えさせる

俺の心 愛に目覚め戻れはしない

Aimer 愛のよろこびに 命捧げても

何も惜しくない

Aimer 愛に導かれ 自由に飛びたい君のいる空へ

信じられないどうかしてるこの俺が

あの娘に言って欲しい

『愛しているドンジュアン』

ただそれだけの言葉を聞くためだけに

全て捧げたいと願う女がいた

Aimer 愛のよろこびに

命捧げても何も惜しくない

Aimer 彼女の瞳に脆くことが生きる幸せだ

彼女の名前を刻んだ俺の肌の上強く愛 愛してるAimer 愛のよろこびに

命捧げても何も惜しくない

Aimer愛に貫かれ命捧げても君を愛したい

Aimer

 

12場

そろそろキャンプに着くはずなんだ!

痛みに負けるんじゃないぞ

水を!誰か水を分けてくれ!

ひどい砂嵐だ

おい!フェルナンド!本当に方角は合っているのか!おい!聞いているのか!

わからない

わからないだと!

おい!仲間割れはやめろ!この砂嵐が俺たちを隠してくれている

敵に追いつかれるまでにはまだ時間があるはずなんだ

敵が隠したのは俺たちじゃない

俺たちの道だ!

丘を這い上がっても這い上がってもまた転がり落とされる

ここはまるでアリ地獄だな

 

戦況は相変わらず好転しない

物資は底をつき 食料も武器も足りず

仲間たちは次々に倒れ

マリア…君の石像はどこにある

 

♪『兵士の血』

闘いに明け暮れて 幾度目かの夜が来た

帰る日を指折り数えて どれほど経っただろう

倒れた体から 砂の上染み付いた 

命の影の上に 何が芽吹くだろう

仲間の流した血に誓ったんだ 

敵うつ その時までは 闘い続ける

手紙など俺は書かない

恋人の読むインクが俺の血でも構わないと

 

全てを投げ出して 君の待つふるさとへ

大地に流れる血に 倒れ伏し ついえる命の最後の叫び声が

見上げた月明かりが死んだもの 眠っているものを

同じように赤く染める

張り詰めた意識を 手放し目を閉じて

今夜も眠る前に 囁こう マリア 愛してる

「夜襲だ!」

眠りさえ与えられず 夜明けすら迎えられないこの地獄で俺は生きる

俺たちの流した血に 愛してる恋人への想い託し闘い続ける

命の限り

 

(ラファエルの仲間たちがどんどんと撃たれていく

初めの友よ共に小隊長が「お前の旦那は俺が守ってやるよ!って言ってたけど、「ラファエル!お前だけは!」って言いながら本当にラファエルを守ってくれる)

 

マリア!

 

13場

 

マリア…

あっ来たのね また彫像に導かれたのかしら

まって 今道具を用意するから

いや 君に会いに来たんだ

俺は君を愛している

おかしいのよ…

悲しいことが起きたの でもどうして

どうして悲しめないの

あの日、あなたと出会ってから何かが変わってしまった

俺もそうだ

俺も君と出会って

 

この男はお前を選んだ

石の声が聞こえる!

愛の呪いの道連れに

ねぇ!教えて!あなたの声を聞かせて!

愛とは運命の牢獄に繋ぎ止める呪いだ!

争おうと思っても自分の意思ではどうにもできない

答えて!

それが愛だ!

マリア!

 

俺もそうだ

俺も変わりたい いや変わり始めている

これまでの自分とは違う自分に

悲しいはずなのに悲しくないの

二人で変わるんだ

 

新しい人生を君と二人で歩んでいきたい

恐れずに俺の愛を信じて欲しい

 

何かが変わり始めている

この夜は終わりではない

夜明けの先触れに過ぎないのだ

古い1日が終わり、明日は何が起こるのか誰にもわからない

物語に運ばれて

誰もが命を燃やして生きている

ここ セビリア

 

♪『何かが変わり始めている』

何かが変わり始めてる

まだ誰も気づいていないだけ

明日何が起きるかすら

君は知らず目覚めて生きる

確かなことはただ1つだけ

この命ただ一つ 物語に運ばれて

誰もが生きてる

セビリアの土の上

生まれ落ちた命燃やし

生きている 生きて行く

愛を求め命燃やす

 

何かが変わり始めてる

あらがうことなんて誰にもできない 

生まれた運命を受け入れて 何が起きるか全てを見届けよう

たとえいまはわからなくとも

いつかは分かり合えると

物語の描く明日へ 信じて生きてゆく

セビリアの街に吹く 風に吹かれ命は巡る

生きていく 生きていく 大地の上命は巡る

 

何故生まれ生きる 

命を生きる 信じて生きる

 

打ち鳴らす手のひらのひび割れからあふれ出した

血と汗を撒き散らして 命の証きざみつける

 

大地の上に倒れふすまで

 

血と汗を 砂の上 命を証 刻み踊ろう

 

やがて誰もが土になるまで 大地の上命は巡る

夜が去り朝が来る 命の限り生き続ける